よく使う書籍の仕上り寸法と使用する用紙の原紙寸法と目についてまとめます。
仕上り寸法
比較的使用頻度が高いと思われる書籍の仕上がり寸法に四六判とA5判があります。A5判のサイズは規格で決まっていますが四六判のサイズは出版社によって数ミリ程度違う場合があります。
四六判 | 128×188mm |
A5判 | 148×210mm |
B5判 | 182×257mm |
B6判 | 128×182mm |
A6判(文庫判) | 105×148mm |
取都合
書籍の本文・カバーそのほか諸々の印刷は、最終的な出来上がりのサイズよりも大きい紙に複数ページ(複数枚)をまとめて印刷して、折ったり切ったりして本の形にします。そのときに、切って捨てる紙が少なくなる効率がいい用紙のサイズがあります。製本には紙の目も考える必要があります。本を綴じるノドの線と紙の目が平行になるようにします。紙の性質で、ノドで折りやすく加工にも都合が良く、ページを開く方向にしなりやすいため、開きやすい本になります。
カバーまわりで使用することが多いファンシーペーパーは、四六判の横目しかない銘柄が多いです。汎用性が高い一部の銘柄では菊判縦目などほかのサイズも用意されている場合もあります。四六やA5のカバー・表紙まわりを作るのには、四六判横目はどこに使うにもそこそこ都合がよいですが、必ずしもベストではありません。場合によっては菊判の用紙のほうが効率がいいときがあります。
四六判並製のカバーをつくる場合、 四六判Y目に半裁三面付けになりますが、天地がそこそこ余ります。高さが55ミリ程度までの浅めの帯ならカバーと一緒に面付して同時に作ることもできます。
四六判の書籍の取都合
四六判本文の取都合
四六判のカバーと表紙のサイズ
仮に256ページくらいの四六判単行本のカバーと表紙のサイズを考えます。
表一・表四 並製は本文仕上がりと同じサイズ、上製はチリ分で天地に各3ミリで6ミリ、左右は小口に3ミリを加えます。
背幅 並製の場合本文の厚み17ミリに表紙と見返しの厚みをプラスして18ミリ程度、上製の場合は表紙(ボール)の厚み各2ミリと丸み分2ミリの合計6ミリを加えて23ミリとします。
カバー袖 大きめに100ミリに設定します。
表紙 並製はカバーの袖をカットしたサイズ、上製は、背と平の間に溝分を6ミリ、天地左右に各15ミリのり代を加えます。表一・表四の左右は128ミリにします。
塗り足し 天地左右各3ミリ塗り足しをつけます。
四六判並製カバーの取都合
四六判上製カバーの取都合
四六判並製表紙の取都合
四六判上製表紙の取都合
四六判見返し(印刷なし)の取都合
A5判書籍の取都合
A5判本文の取都合
A5判のカバーと表紙のサイズ
四六判と同様に仮に256ページ程度で考えます。カバーの袖は用紙の都合で短めの80ミリにします。
大変参考になりました。
グラフィックデザインをしているのですが、普段ほとんど手がけていない装丁の仕事が入ってしまい、紙の指定などで困っていたのですが、こちらの記事を見つけて助かりました。
ありがとうございます。