紙の基礎知識[寸法・目・重量]

ブックデザインに使用するファンシーペーパーや書籍本文用紙の見本帳には、多くの場合、銘柄・カラーバリエーションの他に、用意されている原紙寸法と紙の目、重量(連量)が表示されています。いづれも使用する紙を選ぶときに重要な情報となります。

原紙寸法

用意されている原紙のサイズにはいくつかの種類があります。汎用性の高い用紙は原紙のサイズも複数あることが多いですが、用途が限られるファンシーペーパーでは四六判のみという場合も多いです。主な原紙のサイズは以下の通りです。

四六判はB判よりちょっとだけ大きく、菊判はA判より少し大きいサイズです。

名称短辺長辺
四六判788mm1091mm
菊判
636mm939mm
A判(A列本判)625mm880mm
B判(B列本判) 765mm1085mm
ハトロン判900mm1200mm

紙の目

紙の製造過程でパルプ繊維の向きが一定の方向に揃います。その繊維の向きを紙の目(流れ目)といいます。紙の長辺に対して平行な目を縦目(T目)、 紙の長辺に対して垂直な目が横目(Y目)です。寸法を表示するときも、例えば四六判で、縦目は 788×1091、横目は 1091×788と書いて目を区別することがあります。目が上下方向に向くように紙をおいて、幅・高さの順にサイズを表示します。

紙の目の性質

紙の目には下記のような性質があります。

紙の目に平行方向 紙の目に垂直方向
折る折りやすい・きれいな折り目折りにくい・折り目が割れる
破る破りやすい破りにくい
伸縮小さい大きい

重量[連量・坪量]

連量は原紙1000枚の重量で単位は ㎏、坪量は1平方メートルの紙1枚の重量で単位は g で表します。同じ銘柄・サイズの用紙では、重量が重いほど厚い紙ということになるので、用紙の厚さの目安になります。 坪量のほうが、サイズが固定していて一定の基準で比較できそうですが、書籍の制作では印刷の取り都合を考える上で原紙サイズと目も同時に考える必要があるため、原紙サイズと連動する連量の方を使うことが多いです。おおむね、書籍カバーや上製本の表紙には四六判90-100㎏程度、並製本の表紙には四六判200㎏前後の用紙を使います。

参考資料

印刷発注のための紙の資料2018年版※リンク先は2016年版

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